聖霊によって禁じられることもある

導入

今日も引き続き、使徒の働きを読みすすめていきますと思います。今日の箇所は、エルサレム会議で話されたことを伝えるため、以前に救われた兄弟姉妹と再会し交わりを持つためパウロの伝道旅行がスタートする箇所であります。

パウロたち一行は、救いに預かった者たちと再会し喜びを分かち合い、また新しい救いの御業がなされるとともに、主に忠実に仕えるテモテという人物に出会い、パウロたちの協力者に加えられるのでありました。

使徒の働き16章1-10節
その夜、パウロは幻を見た。一人のマケドニア人が立って、「マケドニアに渡って来て、私たちを助けてください」と懇願するのであった。
パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニアに渡ることにした。彼らに福音を宣べ伝えるために、神が私たちを召しておられるのだと確信したからである。

ポイント

今日もいつものようにポイントを2つあげたいと思います。1つ目のポイントは「どんなことがあって聖霊に導かれて歩んでいこう」ということと、もうひとつのポイントは「毎日イエスさまから何をするかを教えてもらおう」ということを思いながらみことばを見ていきたいと思います。

解説

第二回目の伝道旅行に出発したパウロは前回とは違って山道を通るルート、現在のトルコの南部にあるトロス山脈、標高3000メートルを越える山脈を越えて、シリアやキリキアにある教会を訪問して、兄弟姉妹を力づけ励ますのでありました。

次に、デルベ、リステラの町に行くとユダヤ人とギリシア人のハーフの子どもであるテモテと出会うのでありました。テモテはクリスチャンの仲間の中で評判の良い人であり、誰からも尊敬される人物でありました。

テモテと出会ったパウロは、今回の伝道旅行にテモテを連れて行こうと思わされたのですが、テモテの父親が異邦人であったためか、テモテが割礼を受けていなかったので、ユダヤ人に伝道するときにつまずきとならないようにパウロはテモテに割礼を受けさせるのでありました。

パウロたちはアジアでみことばを語り福音を伝えようと思い、ピシディアのアンティオキアから西へと一直線に進んでエペソでの伝道を考えていたのではないかとされていますが、聖霊によってストップがかかり、北西へと進路を変えてフリュギア・ガラテヤの地方へと向かいました。

またこんどは、ミシアの近くまで来ると、北へと進路を変えてビティニアに進もうとしたのですが、今度はイエスの御霊によってさらにストップがかかるのでありました。

パウロ一行は、聖霊によって、イエスさまによって、進むべき道を変更させられるのでありました。なぜそのようなことになったのかはくわしく記されていませんのでわからないのですが、この使徒の働きを書いたルカはあえてこのことを書き残したのでありました。

自分の思いや願いを第一としないようにとか、この働きが主によってなされていることをハッキリさせるためにとか、歩むべき道は主が教えてくれるとか、なんらかのことを読者に伝えるためにルカはこのことを書き記したのであります。

いずれにせよ、パウロの働きが聖霊によって導かれていき、港町のトロアスに着くと次の宣教地について幻を通して教えられるのであります。

トロアスから出発する船の行き先はいろいろなところがあったと思うのですが、パウロが幻の中でマケドニア人があらわれ「私たちを助けてください」という幻を見せられたことにより、ヨーロッパへの宣教がスタートすることになったのであります。パウロの宣教の働きは神さまの御手の中で進められていくことになるのでありました。

適応

私たちの日々の生活においては、このような激しい変化やどこへ行くべきかの決断をすることはないかも知れませんが、毎日神さまに何をすべきか祈りつつ歩んでいくことの大切さを教えてくれるのであります。

時には、自分の考えとは違うことや自分のやりたくないことをしなくてはならないときもあるかも知れませんが、何でこうなるのですか、どうしてこんなことになるのですかと愚痴を言いたくなるようなときもあるかも知れませんが、祈りながら行っていくときに、これで良かったのだ、神さまが導いてくれたのだと思うようになるのであります。

パウロが日々、聖霊によって導かれていったように私たちも聖霊に導かれて歩んでいきたいと思います。そしていつも神さまによって見せていただける夢や幻、希望や喜びを感謝して受け取っていきたいと思います。