導入
今日の箇所は、パウロたちがヨーロッパでの宣教をスタートした箇所、ピリピにおいて主の素晴らしい御業がなされたことについて記されている箇所であります。
聖霊に導かれたパウロたちは、紫布の商人であるリディアと占いの霊にとりつかれていた女性と出会い、神さまによって心の扉が開かれて救いの恵みに預かるのでありました。
ポイント
今日もいつものようにポイントを2つあげたいと思います。1つ目のポイントは「神さまの救いの御業が今日もどこかで行われていることを感謝しよう」ということと、もうひとつのポイントは「いつも神さまと一緒に生活し何をしたら良いかを教えてもらおう」ということを思いながらみことばを見ていきたいと思います。
解説
パウロたちはトロアスから船出してネアポリスに上陸し、1つめの宣教地であるマケドニア地方のピリピに行くことにしました。この町はローマの植民地であり、パウロが最初に都市での伝道をしたところであります。
彼らはこのところで何日間か滞在し、町の様子をうかがい、安息日になると町の門の外、川岸のところで見つけた祈り場へ行き、集まって来た女性たちと話をするのでありました。
パウロはこれまでの宣教において、安息日になるとユダヤ人の会堂にて礼拝をし、ユダヤ人への伝道をしていました。ピリピの町においてもユダヤ人の会堂を捜したのではないかと思いますが見つけられず、どこからか情報を得て祈りの場所があることを知ったのであります。
神さまの不思議な導きの中で新しい出会いが与えられリディアという女性は、紫布という貴族や王族のしるしとして身につける高価な特産品を販売する商人で裕福であったのではないかとされています。そんな彼女がユダヤ教の教えに心打たれその教えを信じるようになり、心が柔らかくされて準備が整えられていたところにパウロ一行が現れたのであります。
パウロがリディアにイエス・キリストの福音について語ると、リディアはそれに応答し主を信じ、信仰告白をし、バプテスマ・洗礼の恵みに預かることになったのであります。
彼女がいつどこで洗礼を受けたかは書かれていないのでわからないのですが、早い時期に洗礼を受け、今度はこの恵みを家族に伝えたいと思わされて、パウロたちを自分の家へと招いて家族への伝道がなされて、ピリピでの家の教会がスタートすることになったのであります。
そんな神さまからの素晴らしい祝福を見せていただいたパウロたちは、次に占いの霊につかれた女性と出会うことになったのであります。
パウロたちのところにやってきたひとりの女性は、占いの霊につかれた若い女奴隷であり、悪霊によって与えられた未来を予知する能力により主人のために多くの利益を与えていたのであります。
パウロたちは、この女性が来る日も来る日もやってきて叫んでいるので、いよいよ困り果ててしまい、ガマンできなくなり、ついにその女性に向かって、というよりもその女性にまとわりついている悪しき霊に向かって「イエス・キリストの名によっておまえに命じる。この女から出て行け」と言ったのであります。すると、何が起こったのかといいますと、その霊が彼女から出て行ってしまったのでありました。イエス・キリストの御名によって、この女性に霊の解放と自由が与えられたのであります。
適応
私たちの集う湘南グレースチャペルにおきましてもいろいろな立場の人が集い、年齢や男女の違いや職業の違いがありますけれども、神の家族として集められています。誰かが喜べばみんなで喜び、誰かが悲しむならみんなで悲しみ、本物の家族のようにいろいろなことを分かち合っています。
このようなことが出来るのは、イエス・キリストの福音によって救われたからなのであります。けれども、まだ私たちの家族や親戚、友人や知人と救われていない人がおり、もどかしさを感じるときもありますが、全てのことをちょうどよいときに、最善の形で救いの御業を行ってくださる神さまを信じて、期待して、おゆだねしていきたいと思います。主が私たちの周りにいる人の心を開いてくださることを心に留めていきたいと思います。