導入
エペソの教会の長老たちに語ったお別れのメッセージの後半の箇所でございます。パウロが最後にエペソの教会に語ったことから私たちも教えていただきたいと思います。
ポイント
それでは、今日もいつものようにポイントを2つあげたいと思います。1つ目のポイントは「良い牧者であるイエスさまが助けてくれることを感謝しよう」ということと、もうひとつのポイントは「この世の教えに惑わされないで聖書の教えを信じて歩んでいこう」ということを思いながらみことばを見ていきたいと思います。
解説
パウロはエペソの教会の兄弟姉妹たちを愛しており、旅を急いでいたのでありましたが、長老たちをミレトに呼び出し、別れの挨拶と遺言のメッセージを涙ながらに語るのでありました。パウロは謙遜の限りを尽くして、試練に耐えながら、すべての人々に神に対する悔い改めと主イエスに対する信仰を持つようにと訴えるのでありました。
パウロは、私が旅立った後、あなたたちを惑わす偽教師が現れるかもしれないから気をつけるようにと語りました。彼らは狼のように狂暴で、あなたたちの群を荒らしてまわるだろう、間違った哲学や不道徳な教えを持ち込んできて、あなたたちの信仰や教えをねじまげてしまうだろう、そして自分たちこそが正しい教えをする者たちだといって兄弟姉妹たちをつれていってしまうだろう。だから、そのようなことにならないように、これまでに教えてきた訓戒を思い起こして目を覚ましているように、あなたたちは御国を受け継ぐ聖なる者とされたのだから、と語るのでありました。
このパウロが語った狼ということ、もしかすると、ガラテヤやコリントをはじめいろいろなところで迫害してきたユダヤ人たちのことや、グノーシス主義者、哲学者、偶像崇拝者などのキリスト教の教えを惑わす者たちを念頭に置いていたのかもしれません。そのような者たちがやってきたら、羊たちを置いて自分だけ逃げないようにと忠告するのでありました。
神さまがご自身の血をもって買い取られた教会のために、神さまのみこころに従ってきたパウロは、この地域の人々が大事にしていた価値観である高級な服や金銀の装飾品をほしがることをせず、宣教の働きのために必要なものは自分で働いて手にしてきたと語り、あなたたちが助けるべき人は私ではなく、弱い者たちや生活に苦しんでいる人たちを助けなくてはならないと語るのでありました。
そして、イエスさまが言われたことば、「受けるよりも与えるほうが幸いである」ということば、これは聖書には記されていないのですが、初代の教会、イエスさまの弟子たちによって語り継がれ、エペソの兄弟姉妹たちもこのイエスさまのスピリットを受け継いで歩んでいくようにと語るのでありました。パウロの決別のメッセージもいよいよ終わると別れの時を迎えるのでありました。
適応
イエスさまが私たちにただで福音の恵みを与えてくださったのですから、今度は私たちが出て行って、福音の恵みを与えることが出来るように、失われた羊のところ行くことが出来るようにさせていただきたいと思います。
私たち一人ひとり、置かれている環境や与えられている人間関係は違いますが、ちょっとした声かけや小さな行いを通して、イエスさまの恵みと祝福を分かち合っていくことができるようにさせていただきたいと思います。
キリストのからだである教会に属する私たち一人ひとりが、神さまのみこころに従って一致し、協力して行くことが出来るように、皆で支えあい、それぞれの賜物を生かして歩んでいくことが出来るように、そして、聖霊なる神さまの助けをいただいて、私たち一人ひとりの信仰と教会全体が成長していけるように、これからの日々も祈りつつ歩ませていただきたいと思います。