導入
今日お開きします箇所は、パウロがユダヤ人たちに復活のイエスさまと出会ったこと、アナニヤとの出会ったことを語ったことによって思いもよらない迫害を受けることになるのでありましたが、パウロがローマ市民であること打ち明けると状況が一変するのでありました。
ポイント
今日もいつものようにポイントを2つあげたいと思います。1つ目のポイントは「いつも神さまが助けてくれることを感謝しよう」ということと、もうひとつのポイントは「神さまがマイナスをプラスに変えてくれることを信じていこう」ということを思いながらみことばを見ていきたいと思います。
解説
パウロは復活のイエスさまと出会う前から神のみこころを知るため、義なる方を見るため、そして御声を聞くため、神さまの目的を実現させるために選ばれていたというのでありました。
そんな神さまの壮大なご計画、ユダヤ人や異邦人を含めた全ての人々に福音を伝えイエス・キリストを証ししたことによって苦しみに遭うことになってしまうのであります。
パウロの話を聞いたユダヤ人たちは、民族的な偏見もあったため異邦人への伝道などあり得ないと、我慢できなくなり、声を張り上げて、「こんな男は、地上から除いてしまえ。生かしておくべきではない。」と言うのでありました。
まるで花火の火薬倉庫が何かの事故で爆発するような、石油のタンクに何かが衝突して大爆発が起こったような、思っていたことよりもひどい状態になってしまったのであります。
群衆は再び興奮状態で熱狂し、叫び声を上げたり、外套を投げ捨てたり、塵を空中に投げ出したりして、パウロに対する怒りをむき出しにするのでありました。
パウロは、ローマの役人や兵士たちがいなかったら、彼らによって助けられて守られなかったら、すぐにでも殺されていたのではないかと思われます。
ある注解書には、ローマ市民権がクラウディウスの時代に高額で売買されていたことがわかっていますと書かれており、もしローマの市民権を持っていると偽ってウソをついて主張するのならば、死罪にあたるとされていたようです。
ローマ市民権が金で買えるほどに堕落していた時代に、パウロは生まれながらのローマ市民であったというのであり、パウロの家族が社会的に地位のある人たちであったのではないかとされています。
このことによって、パウロの取り調べは中止となり、百人隊長はパウロから身を引き、千人隊長も縛られているパウロを見て恐れ、困ったことになったと不安になるのでありました。
適応
パウロにとって親から受け継がれたローマ市民であるということが、このところにおいても益となって、役に立って、プラスになって困難を乗り越えることが出来たのであります。
私たちも「ああ、あのときのことは、このときのためだったのか」ということを経験したことがあると思います。その時はこのことは何なのだろうかと思えることでも後になってから、この経験が役に立ったということがあったと思います。神さまは私たちのいろいろな経験を用いてくださって、日々の歩みを導いてくださっているのであります。
昨年から騒がれるようになったコロナウイルスの出来事も、いまは大変な経験であるかも知れませんが、5年後、10年後にはこの経験が役に立ったとか、意味のあることだったのだなと思えるときが来るのではないかと思います。
私たちはこの地に神の国をあらわすために使命が与えられているのであります。私たちを通して神さまの御業があらわされる、救われる人が起こされる、祝福が流れていくのであります。私たちの言葉や行いによって、父なる神さまが働いてくださるのであります。
これからの日々、神さまが私たちのうちに働いてくださって、素晴らしいことを行ってくださると信じて期待していこうではありませんか。神さまが私たちのことを祝福して用いてくださることを信じて歩んでいこうではありませんか。