導入
今日お開きします箇所は、前回のところの続きで、パウロが復活のイエスさまと出会ったことによって人生が変えられたときのことをユダヤ人たちに証しした箇所を見ていたいと思います。
パウロがイエスさまと出会ったときと同じように、アナニヤとの出会いによってもこれからの生涯をどのように歩むかを教えられ、神のみこころを知り、義なる方を見、そして御声を聞くという神さまの目的を実現させるという、神さまの不思議なご計画によって導かれていたのだというのでありました。
ポイント
今日もいつものようにポイントを2つあげたいと思います。1つ目のポイントは「神さまのみこころを信じて歩んでいこう」ということと、もうひとつのポイントは「いつも神さまに助けてもらって生活していこう」ということを思いながらみことばを見ていきたいと思います。
解説
パウロはイエスさまと出会ったときの体験について、使徒の働き9章におきましてはそのままの出来事を記したのに対して、22章においては、パウロの体験談をふまえて書き記されました。この12節、13節のところには、アナニヤが見た幻、主から語られたことばなどには触れられておらず、アナニヤがパウロのところにやってきて、「見えるようになりなさい」と語られたことが記されています。これに続いて、アナニヤはパウロの視力を回復させ、目が見えるようにさせ、見聞きしたことを証ししなさいと主からの命令を語り伝えるのでありました。
この14節のところに「お選びになりました」とあります。この単語は、これは、「前もって手に取る」「計画する」「提案する」「決定する」といった意味のあることばで、父なる神さまによってもうすでに任命されていた、パウロが復活のイエスさまと出会う前から選ばれていたのだ、それもパウロが神のみこころを知るため、義なる方を見るため、そして御声を聞くため、などの神さまの目的を実現させるために選ばれていたというのであります。
神さまの壮大なご計画、ユダヤ人や異邦人を含めた全ての人々に福音を伝えイエス・キリストを証しするという神さまのビジョンの中にパウロが組み込まれていたというのであります。
アナニヤは神さまから託された人類救済プランをパウロが実行できるように、励まし元気づけて、全てを委ねて、バプテスマ・洗礼を受けて、罪を洗い流すようにすすめるのでありました。
アナニヤとの出会いはパウロの人生を180度変えることになり、イエスさまの証し人としてパウロは変えられていくのでありました。
エルサレムからダマスコに向かう途中で復活のイエスさまと出会ったパウロは、そのままダマスコへ行き、アナニヤと出会って、バプテスマを受け、救いの恵みに預かるのでありました。
そんな不思議な体験をしたパウロはダマスコからエルサレムへと戻り、いつものように宮で祈りの時間をもっていると夢心地になった、もともとの意味は、トランス状態、通常と異なる意識の状態になり、14節で記されていたとおりに、主を見て、御声を聞くのでありました。
使徒の働き9章を見ますと、エルサレムにおいてキリストを信じた者たちに証しをしていたこと、ギリシヤ語を使うユダヤ人から命を狙われていたことが書かれており、いつの時点で、主の語られたこと「早く、急いでエルサレムを離れなさい。」ということばを聞いたかはわかりませんが、多くの人々から迫害を受けるようになるというのでありました。
これに対してパウロは、以前の私は教会を迫害する者であり、ステパノの殉教の時にも立ち会っていた者である。このような者が変えられたのだから、きっとエルサレムでの伝道にこの経験が役に立つとパウロは考えたのでありましたが、実際にはパウロの想像以上のことが起こってしまう、だから早く、急いでエルサレムを離れるようにとの御声を聞くのでありました。
パウロはこのようなことばを聞いても、大丈夫です、死ぬ覚悟も出来ています、とかたくなに反発したのではないかと思いますが、主はそんなパウロの思いも知っていたためか、あなたをすべての人に対して、しかも異邦人に対して派遣するのだと語り、パウロの考えていたことよりもさらにスケールの大きい、わくわくするようなビジョンを与えて、神さまの目的を実現させるため遣わすのでありました。
パウロはこの御声に応答して新しい一歩を踏み出したことによって、エルサレムからアジア諸国へと世界宣教の旅に出かけることになり、これからさらなる宣教の地へ、ローマへと出かけて行くことになるのでありました。
適応
私たちもイエスさまと出会ったことによって救いの恵みに預かれたように、これからの日々も神さまの御手の中で歩んでいきたいと思います。そしてどんなことがあっても神さまから離れないで歩んでいったパウロのように、私たちも神さまにつながって歩んでいけるように、神のみこころを知り、義なる方を見、そして御声を聞いて、神さまの目的を実現させることができるようさせていただきたいと思います。