導入
パウロはこれまでに幻によって語られてきたことをいよいよ実行するためにローマに向かって出発するのでありました。パウロの勇気のある決断によって新しい道が開かれていくことになったのでありましたが、波瀾万丈の航海の旅がスタートするのでありました。
ポイント
今日もいつものようにポイントを2つあげたいと思います。1つ目のポイントは「神さまが最善を行ってくださると信じていこう」ということと、もうひとつのポイントは「神さまが道を開いて導いてくださることを感謝しよう」ということを思いながらみことばを見ていきたいと思います。
解説
カイサリアを出発することになったパウロは、他の囚人と一緒に、百人隊長のユリウスによって連れていかれることになり、ルカとともに以前にパウロの旅に同行したマケドニア人のアリスタルコスも出かけることになったのでありました。
シドンを出発した船は、キプロス島を右に見ながら最短距離で進んでいきたかったのですが、風向きが西からと北からと吹いてきて、向かい風の中、進まなければならなくなったので、キプロス島を左に見て、遠回りをしなければならなかったのであります。
いつもより余計な距離を進まなければならなかったのでありますが、キリキアとパンフィリアの海岸に沿って進んで行き、リキアのミラの港に到着するのでありました。
ミラを出発した船は海流の影響を受けていたこともあり、何日もかけてゆっくりと航海することになってしまい、やっとのことでクニドの沖まで来たのでありますが、逆風のために思うように進むことが出来なくなり、クレタ島の南を回って進んでいき、ようやく「良い港」と呼ばれる場所に到着しました。
パウロたちはカイサリアを出発してからかなりの時間が経過していたこともあり、沿岸を離れて外洋の航行が危険な状態になってしまいました。なぜこのような遅れが出てしまったかはわからないのでありますが、遅れがなければ嵐の季節の前にイタリアに到着していたのかも知れません。
もし嵐の季節に航海を続けるのならば、たくさん積んである荷物や大きな船、そしてこの船に乗っている人の命が危ないとパウロは警告するのでありました。
さあ、これからどうしたらよいのだろかと大切な決断をしなければならなかった百人隊長のユルウスは、囚人であるパウロの話よりも船長や船主の話しを信用し、出発することになってしまったのでありました。
適応
私たちがいろいろなことを判断して決断していくとき、神さまの導きを求めて祈って進んでいくのならば、必ず素晴らしいことがなされていくのであります。時には嫌だなと思うことや辛いなと思うこともあるかも知れませんが、神さまは必ず最善、最高のことを行ってくださるのであります。
またそれとともに、神さまは不思議なことを通して私たちがどのように歩んだら良いかを教えてくださるのであります。幻によって、夢によって、誰かの話す言葉によって、本に書かれていることによって、そして聖書のみことばによって、私たちがどのように選択をして、決断をして、進んでいくことを導いてくださるのであります。
パウロが一生涯をかけて神さまにしたがっていったように、私たちも神さまから離れないで、神さまを信頼して歩んで行きたいと思います。私たちの日々の歩みにおいてはいろいろなことがあり、選択と決断の連続であると思いますが、神さまが最高・最善のことを行ってくださると信じて歩んでいきたいと思います。