導入
今朝もこのようにしてみなさまと共に礼拝をお献げできますことを、心より神様に感謝いたします。私たちが神様によって救われていることを喜んで生活していけるように、またその喜びを多くの人と分かち合うことができるように、キリストのからだである教会の歩みが祝されていきますように、これからの日々も主に期待して歩んでいきたいと思います。
ポイント
1つ目のポイントは「いつも聖霊なる神さまに助けてもらって歩んでいこう」ということと、もうひとつのポイントは「神さまのことばをたくさん覚えていこう」ということを思いながらみことばを見ていきたいと思います。
解説
前回お開きしました箇所、使徒12章の最後の所には、「㉔主のみことばは、ますます盛んになり、広まって行った。㉕任務を果たしたバルナバとサウロは、マルコと呼ばれるヨハネを連れて、エルサレムから帰って来た。」とありました。バルナバとサウロをはじめ、アンテオケ教会において、またエルサレムにおいて、主のみことばに従い、へりくだって、神さまに栄光を帰す歩みをしていたことにより、主のみことばは、ますます盛んになり、広まって行ったのでありました。
今日のこの箇所、使徒の働き13章から、いよいよ国外へと福音の種が蒔かれていく、伝道旅行がなされていくことになるスタート地点となる箇所なのであります。まずこのところで注目したいことは、アンテオケの教会において神さまの素晴らしい御業が形となってあらわされ、いろいろな地域から働き人が集められたのであります。
まずは、キプロス生まれのレビ人で慰めの子と呼ばれていたバルナバ。次に、ラテン語の名前で「黒い肌」という意味であるニゲルと呼ばれるシメオン、もしかするとアフリカ地方の出身であったかも知れません。つづいて、クレネ人ルキオ、クレネ人といえばイエスさまの十字架をかついだシモンもクレネ人であったので、もしかするとシモンからイエスさまの証を聞いて救われた人物かもしれません。今度は、「慰める者」を意味のあるマナエン、彼はヘロデ大王の子どもであるヘロデ・アンテパスと一緒に宮廷で養育された人物ではないかとされています。そして最後にタルソ出身で律法の厳格な教育を受け、イエスさまの幻によって回心したサウロ。彼らは聖霊の賜物を受けて預言者として教師として宣教の働きを行なっていったのであります。
そんな彼らが、礼拝をし、断食をして祈っていると、「バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせなさい」と聖霊の御声を受け取るのでありました。キリストのからだである教会に父なる神さまのご計画を知らせるために聖霊なる神さまが語りかけられたのであります。祈りによって御霊の一致が与えられていたアンテオケの人々は、主の御前にますます謙遜になって、バルナバとサウロのために断食と祈りをして、ふたりの上に手を置いて送り出すのでありました。
スタートし始めたアンテオケの教会は裕福であったとは思えないのですが、経済的にもバックアップすることを決心し、大切な中心的な働き人である二人を主の御旨であると確信し送り出すことにしたのであります。聖霊と教会によって送り出されたバルナバとサウロは、アンテオケから一番近い港のあるセルキヤに行き、キプロス島へと向かうのでありました。そして、東海岸のギリシヤ人の街であるサラミスに到着しました。使徒13章4節から8節をお読みします。
「④ふたりは聖霊に遣わされて、セルキヤに下り、そこから船でキプロスに渡った。⑤サラミスに着くと、ユダヤ人の諸会堂で神のことばを宣べ始めた。彼らはヨハネを助手として連れていた。⑥島全体を巡回して、パポスまで行ったところ、にせ預言者で、名をバルイエスというユダヤ人の魔術師に出会った。⑦この男は地方総督セルギオ・パウロのもとにいた。この総督は賢明な人であって、バルナバとサウロを招いて、神のことばを聞きたいと思っていた。⑧ところが、魔術師エルマ(エルマという名を訳すと魔術師)は、ふたりに反対して、総督を信仰の道から遠ざけようとした。」
バルナバは生まれ故郷であったキプロスにたどり着きました。これまでも故郷のために祈りつつチャンスがあれば伝道をしたいと思っていた場所であったかも知れません。このところに、親戚や友人・知人に伝道するためかバルナバのいとこであるヨハネ・マルコも一緒にやって来たのであります。そんな彼らの所に、偽預言者であるバルイエスという人物、魔術師のエルマが現れるのでありました。この魔術師は地方総督のセルギオ・パウロを福音の真理から遠ざけようとして、バルナバとサウロを招くことを反対するのでありました。
もし総督のセルギオ・パウロがバルナバとサウロを招き神の言葉を聞くのならば、きっと自分の立場がなくなるだろう、自分の魔術は用なしになってしまうだろうと危機を感じたのであります。そのようなところに、彼らが現れ、やな予感が的中ではないのですが、聖霊に満たされたサウロはエルマの悪しき者の力を見抜き、神のことばに逆らう者、伝道の働きをじゃまする者に戦いを挑むのでありました。使徒13章9~12節をお読みします。
「⑨しかし、サウロ、別名でパウロは、聖霊に満たされ、彼をにらみつけて、⑩言った。「ああ、あらゆる偽りとよこしまに満ちた者、悪魔の子、すべての正義の敵。おまえは、主のまっすぐな道を曲げることをやめないのか。⑪見よ。主の御手が今、おまえの上にある。おまえは盲目になって、しばらくの間、日の光を見ることができなくなる」と言った。するとたちまち、かすみとやみが彼をおおったので、彼は手を引いてくれる人を捜し回った。
⑫この出来事を見た総督は、主の教えに驚嘆して信仰に入った。」
サウロは「主のまっすぐな道を曲げることをやめよ!おまえは盲目になる!!」とさばきを宣言すると、主の御手の力によりかすみとやみが彼をおおい目が見えなくなり、手を引いて助けてくれる人を捜すのでありました。これを見ていた総督は、魔術の力をはるかに上回る全能なる神さまの力を目の当たりにしてひどく驚き、主の教えに驚嘆して信仰に入るのでありました。バルナバとサウロの伝道旅行の第一歩、異邦人伝道・世界宣教の最初の収穫はローマの地方総督の救いでありました。彼が信仰を持つということ、イエス・キリストの福音を信じるということは、ローマのさまざまな偶像礼拝をやめるということになり、総督としての立場を考えるとかなりの勇気と決断のいることであったと思いますが、神のことばの力に捕らえられてしまったのでありました。
適応
さて今日はバルナバとサウロの伝道旅行がスタートする箇所、異邦人の教会、アンテオケの教会から世界宣教の働きがスタートする箇所を見てきました。
神のことばの力によって救われる者、働き人が起こされて、イエス・キリストの福音を伝えるために、イエスさまの十字架と復活による救いの恵みを伝えるために、聖霊によって使わされていくのでありました。イエスさまが十字架にかけられる前、弟子たちに向かってあなたたちに助け主を送るよ、聖霊を送るよと約束してくださいました。
今日このとき、もう一度、聖霊なる神様の素晴らしさに目を留めて、私たちのクリスチャンライフを助けてもらえるように、祈り求めていこうではありませんか。そして私たちの今すべきことが何なのか、私たちに与えられている賜物、奉仕、働きはどのようなことなのか、み言葉に聞きながら、主のみこころを行う者とさせていただこうではありませんか。