導入
今日の箇所は、ピリピでの伝道の働きを終えたパウロとシラスが、次の宣教地であるテサロニケでの働きが記されている箇所であります。彼らはこれまでと同じようにまずその地にいるユダヤ人たちに福音を伝えるために安息日ユダヤ人の会堂へと出かけていくのでありました。
ポイント
今日もいつものようにポイントを2つあげたいと思います。1つ目のポイントは「ボクたち私たちも神さまの子どもとして歩めることを感謝しよう」ということと、もうひとつのポイントは「全てに勝利されたイエスさまがいつも一緒にいてくれることを感謝しよう」ということを思いながらみことばを見ていきたいと思います。
解説
パウロとシラスはピリピでの伝道活動を終えて、次の宣教地であるテサロニケへと出かけていきました。彼らの通った道はマケドニアの重要な町を結ぶ道でローマ帝国が建設した幹線道路でありました。ピリピからテサロニケへの移動距離は約150キロメートルであり、何日かかって、どこに立ち寄ったかはわからないのでありますが、マケドニアの首都であり商業や貿易の中心地であったテサロニケを新しい宣教地として選んだのでありました。
テサロニケに到着したパウロとシラスは、これまでの伝道のスタイルと同じ、安息日になるとユダヤ人のいる会堂へ出かけて行き、旧約聖書から預言されていたメシヤである救い主について語り、このお方が苦しみを受けて死ななければならなかったこと、そして死んだ後に復活、よみがえらなければならなかったことを語り、ナザレのイエスと呼ばれていた人物が救い主であったのだと、テサロニケにいたユダヤ人たちと三週間にわたって聖書から議論をしたのでありました。
パウロとシラスの宣教の働きは実を結び、救いの恵みに預かる者があらわれ、その中でも特に多かったのは神を敬うギリシア人たちや社会で影響力のある女性たちでありました。
パウロたちは、神さまの御業は素晴らしいと主をほめたたえていたところ、ここでも同胞のユダヤ人たちの妬みを買うことになり、暴動が起って町の中が混乱し、喜びから苦しみへと状況が変化してしまったのであります。
妬みに燃えたユダヤ人たちは、自分たちの利益を横取りしたパウロたちがヤソンのところにいると知って出かけていったのですが、パウロたちを見つけることが出来なかったので、ヤソンと何人かを役人のところに引っ張っていって、「世界をひっくり返すかのように、世界中を騒がせてきた者たちがここにもいます」と言って訴えるのでありました。
この中には、ユダヤ人の会堂でパウロたちの話しを聞いていた人もいたようで、パウロたちが話ししていた内容を無理やりにねじ曲げて、イエスという別の王がいるのだ、カエサルの詔勅に背く行いをしているのだと言って言いがかりを付けるのでありました。
これを聞いていた群衆と町の役人たちは不安になり動揺したのですが、これといった訴えの証拠も見つからなかったので、役人たちはヤソンたちから保証金を払わせて釈放したのでありました。
適応
パウロはテサロニケのクリスチャンたちに向けて、あなたたちは神さまによって選ばれたのですよ、福音のことばによって力と聖霊と強い確信を受け取ることが出来たのですよ、そして救いの恵みに預かった者としてふさわしい行動をしているのですよと励ましのメッセージを送るのでありました。
いまを生きる私たち、テサロニケからはるかに遠い日本で生かされている私たち、時代も国も違うのでありますが、この救いの福音のメッセージは私たちのところにも届けられているのであり、私たちも神によって選ばれた者たちであるのです。
私たちの日々の生活においては、苦しいことや辛いことがあるかも知れませんが、全てに勝利されたイエスさまが私たちと共にいてくださって勇気を与えてくださることを信じて歩んでいきたいと思います。
聖書に記されている神さまは全てのことを益に変えてくださる、良いことに変えてくださるお方であります。いまは何でどうしてと思えることも後になって良かったのだと思えるようにしてくださるのであります。ピンチをチャンスに変えてくださる神さまを信じてこれからの日々も過ごしていきたいと思います。