導入
今日の箇所は、パウロがアテネでの伝道を終わりにして、新しい宣教地であるコリントにたどり着くのでありました。パウロの新しい地での伝道は、これまでとは少し違い、福音を伝えると信仰を持つ者が起こされていき、初代教会の一つであるコリント教会が建てられて成長していくのでありました。
ポイント
今日もいつものようにポイントを2つあげたいと思います。1つ目のポイントは「悪いことが起こっても良いことに変えてくれる神さまを信じていこう」ということと、もうひとつのポイントは「恐くて不安になったらイエスさまに助けてもらおう」ということを思いながらみことばを見ていきたいと思います。
解説
パウロは、ユダヤ人でありながらキリストの救いを信じたアキラとプリスキラというクリスチャンの夫妻に出会うのでありました。パウロがこの二人とどのようにして出会ったかはわからないのでありますが、彼らもパウロと同じ天幕作りの仕事をして生活をしていたのでありました。
パウロにとってこの二人との出会いは非常に大きな力となり、住む場所が与えられ、生活していく仕事も見つかり、さあこれから神さまはきっと素晴らしいことをしてくれるに違いないと期待していたのではないかと思います。続いて5節から8節までをお読みします。
パウロがアキラとプリスキラのところで生活をし、安息日にはユダヤ人の会堂へと出かけていきイエス・キリストの福音を伝えていました。コリントに来てどのくらいの日数がたったかわからないのですが、これまで一人で不安であったパウロのところにシラスとテモテがマケドニアからやってきたのであります。
以前に見てきました箇所、使徒の働き17章13節から15節には、ベレアの地においてユダヤ人たちの暴動を受けて、逃げるようにしてそのところを離れたパウロは、これまで一緒に伝道してきたシラスとテモテと離ればなれになってしまったのでありました。
パウロは彼らと会うことができホッとしていると、彼らがマケドニアの教会から持たされてきた献金があることを聞くと、感動して感謝の祈りをささげると、これまでの天幕作りの仕事をやめて伝道の働きに専念するのでありました。
さあ、いよいよこれからと思っていたところ、ユダヤ人の会堂でナザレのイエスと呼ばれていた人物こそがキリストである、救い主であると証ししていたところ、ここでも口汚くののしられて、迫害を受けることになってしまったのであります。
ユダヤ人の会堂での伝道が出来なくなってしまったパウロは、そのところに集っていた異邦人であり、神を敬う人であったティティオ・ユストと人のところを拠点にして伝道の働きをすることにしたのですが、彼の家はこれまで福音を証ししていた会堂の隣ということで、パウロ自身も悩んだのではないかと思います。しかし、パウロの気苦労が消えて無くなるかのように、ユダヤ人の会堂の管理者であったクリスポとその家族が主を信じ、また多くの人々も主を信じてバプテスマを、洗礼の恵みを受けるのでありました。これでこの働きも波に乗ってきたかのように思えたのですが、パウロに不安と恐れの大波が襲いかかるのでありました。
パウロの伝道によって、ユダヤ人の会堂のリーダー的な人物が救われ、それに続くかのように多くの人々が救われました。よかった、よかったと思える出来事でありましたが、これまでの伝道の働き振り返ったときに、妬みと憎しみに燃えた同胞のユダヤ人たちが追いかけてきて、命を狙われたことを思い出して、今度も危ないかも知れない、また命を狙われるかも知れないと思うと夜も眠れない日々が続いたのであります。
そんなある夜に、これまでにも幻によって主が語ってくださったように、今回も同じように「恐れているのをやめて、むしろ話し続けなさい、そして黙っていてはならない」とわかりやすく3つの動詞を使って語ってくださったのでありました。またこれに続いて、わたしがあなたといつも一緒にいるから、あなたを襲われることはない、危害を受けることはないと約束してくださり、それに加えて、この町にはわたしの民がたくさんいる、これまでに救われた人がいる、これからも救われる人がいる、だから安心していきなさいと何にも変えることの出来ない励ましと平安をいただくことになったのでありました。これによってパウロはこの町に腰を据えて1年半の間、安心して伝道の働きを行っていったのでありました。
適応
これからの私たちの日々の歩みにおいて、何があってもこのお方から離れないで過ごしていきたいと思います。時には何でどうしてと辛くて苦しくて不安になることもあるかも知れませんが、万事を益に変えてくださる神さまが私たちの神さまであります。
パウロも様々な困難を乗り越えていったように、私たちも主を信じて、主に期待して歩んでいきたいと思います。そして私たちの周りにも主を信じる仲間がいることを感謝して、またこれからも救われる民が起こされることを信じて歩んでいきたいと思います。