閉ざされた道が開かれた

導入

今日お開きします箇所は、パウロを暗殺してしまおうという計画が、パウロの甥っ子の耳に入り、千人隊長へと伝えられたことによって、暗殺計画が実行される前にパウロをカイサリアへ送ってしまうということになり、パウロの護送計画が実行されるのでありました。閉ざされていた道がいっきに開かれて、数時間のうちに物事が進められていくのでありました。

使徒の働き23章23-35節
それから千人隊長は二人の百人隊長を呼び、「今夜九時、カイサリアに向けて出発できるように、歩兵二百人、騎兵七十人、槍兵二百人を用意せよ」と命じた。
また、パウロを乗せて無事に総督フェリクスのもとに送り届けるように、馬の用意もさせた。

ポイント

今日もいつものようにポイントを2つあげたいと思います。1つ目のポイントは「神さまのみこころが行われることを感謝しよう」ということと、もうひとつのポイントは「神さまが私たちの祈りを聞いてくれることを信じていこう」ということを思いながらみことばを見ていきたいと思います。

解説

これからどうなってしまうのかと心配していたところに、議会が大混乱になったこと、殺害計画をたまたま聞いていた甥っ子のこと、百人隊長が甥っ子を千人隊長のところに連れていったこと、千人隊長が話しを聞いてくれて配慮をしてくれたこと、奇跡の連続が起こってパウロが助け出されるのでありました。

このような不思議な出来事が起こった後、千人隊長はパウロを護送するために二人の百人隊長を呼び、兵士たちを集めて護衛隊を組むのでありました。パウロ一人に対してこれだけの人数が集められたということは、少し行き過ぎではないかと思われるのでありますが、群衆の反乱を避けるため、暗闇で襲われないよう警戒するために必要な人数であったのではないかとされています。

パウロの護送のために集められた兵士の数は、エルサレムに配備されている兵士の半数であったのではとされ、またパウロのためには馬も用意されたというのであり、パウロを取り巻く状況が切迫していることがわかります。

千人隊長はパウロに起こったことを書き記すのでありましたが、実際には違うところがいろいろあるのに気がつきます。彼はパウロがローマ市民であると知って救出したと書いていますが、実際にはパウロを縛りあげて兵営に連れていき鞭打ちをしようとしたときに、パウロからローマ市民であることを聞かされたのでありました。彼は自分の都合、自分の立場が悪くならないように、事実を歪曲して手紙を書き送るのでありましたが、ユダヤ人の暴動を避けるため、エルサレムにいると町の安全を守るために、また彼には死刑や投獄にあたる罪がないのに訴えられていることを審査してもらうために、この手紙を書いたのでありました。

パウロと護送するための兵士たちは、エルサレムからカイサリアまでの道のりの途中、ヘロデ大王が建てたアンティパトリスまでの道のり約60キロメートルを夜通し旅すると、ここまで来れば大丈夫だということになり、騎兵たちにパウロの護送を任せて、他の兵士たちはエルサレムへと戻るのでありました。

総督のところまで連れてこられたパウロ、総督フェリクスはパウロに「あなたはどの地方にいたのか」とたずねると、パウロはキリキアであると答えました。

総督はエルサレムからやってきたパウロに対して適切に対応をし、「おまえを訴える者たちがやって来たときに訴えられている理由を聞くことにしよう」と話をして、牢獄に入れるのではなく、総督の宮殿でもあるヘロデの建てた官邸でパウロを保護することにしたのでありました。

適応

神さまの計画が行われるとき、これまで押しても引いても開かなかった扉が開くと次々に扉が開いていく、神さまの計画が実行されていくのだな、神さまの時があるのだなと感じるときがあるのではないかと思います。

神さまは私たちの歩みをいつも見ておられて不思議なことを行ってくださるのであります。このお方に信頼していくとき、私たちは思いもよらない祝福を受け取ることが出来るのであります。

パウロはどんな時でも主を信頼して祈りつつ歩んでいました。パウロは祈りに答えてくださる神さまを信頼して歩んでいたのです。ユダヤ人たちの議会に連れていかれたとき、混乱が起こったとき、甥っ子が暗殺の計画を聞いたとき、エルサレム脱出の護送が行われたとき、いろいろなときに祈っていたのではないかと思います。

私たちの日々の歩みにおいていろいろなことがありますが、祈りによって進んでいくことが出来るように、神さまのみこころと少しでも一致して歩んでいけるようにさせていただきたいと思います。そして、主から目を離さないで歩み、神さまのご計画が私たちの歩みにおいても行われるよう信じて歩んでいきたいと思います。